Donzoko
Dotanba
Donidemonare
背後から狙う影。
襲いかかる空気人形。
「ほほう。化け物に性感マッサージされたんですね」
怪人に襲われた女性が訪れているらしい。
「それ以来、男性に興味がもてなくなったんです」
「すると女性に?」
「女でもダメです。
それどころか、ナスもキュウリもニンジンもダメなんです」
「なるほど。性欲がなくなったということですね」
同じ内容の患者はもう10人目であった。
平は事件だ、とばかり貧田のもとを訪ねた。
「ヒーローはつらいねえ」
「で、今度はなんだい?」
「連続性感マッサージ事件。女といわず男といわず、
セックス盛りの若者が謎の性感マッサージ師に襲われる。
襲われた者はことごとく性欲を失っているのだ」
「ちょいと下品だが、やっと事件らしいのが出てきたな」
早速聞き込みに出かけようとする貧田を平が引き留めた。
「待て。その前に片づけなきゃならん仕事がある。
浅草へ行け。14時の約束だぞ」