路理衛は、貧田を谷岡研究所のある成田市に連れてきた。


「あっしは路理衛っちゅうケチなアンドロイドでやす。
通称タマキンの路理衛。よろしゅう」
「アンドロイド!?SFっぽくなってきたねえ」
「あっしがわらじを脱いでる研究所に来てもらいたいんで・・・」
「何か食わしてくれるか?」
「そりゃもう。客人でやすから」
「そうかそうか。で、断わっとくが、俺は、
安いものしか食わんぞ」
「へえ??」


貧田が3Dマンに変身するとき、
巨大な精神エネルギーを発生すると知った谷岡は研究に協力してくれないか、
と持ちかけた。
貧田は連続性感マッサージ事件の解決が先だと断る。

が、「拙僧が仰天を使ってあんま師の所在を突き止めてやるから
貧田殿は研究に協力しては下さらぬか」
という谷岡の申し出を貧田は受けることにした。


暴れ回るマッサージ師!!

そろそろ国会でも話題になっていたが政府が真剣に取り組むことはな かった。


性感マッサージ師探査のために出動する仰天号。

注水!

していたのはと なりの水槽。


近所の子供に聞き込みをする仰天号。



貧田の協力で谷岡の研究ははかどっていた。
「恐るべきパワーだ。貧しさからくるさもしい心を
ほぼ100%エネルギーに転換している。
わしのEGTを超えるメカだ」
「でも、ナニがボッキするといきなり力が弱まるんですがね。
やっぱり貧血ですか?」
貧田の言葉に谷岡は膝を打った。
「そうか!!もう一つの精神エネルギーは性欲だったのだ。
ギャグと貧乏と性欲。これが三つの解だ。
性感刺激を受けて性欲が起こると、貧乏エネルギーが低下して性欲に変わる。
だから3Dマンのパワーが落ちるのだ」

そのとき、仰天が何かを見つけた。

コントローラーを操る路理衛が報告する。
「仰天が妙な奴を捕捉しやした。電送写真を撮りやす」


写真を見た谷岡と路理衛は犯人と確信する。
「おやっさん、見てくんねえ。こいつぁ犯人にちげえねえ」
「おお、見るからに異常そうな顔だ。仏法を説いても無駄じゃろうな」
「ズバリ変態!」
「ズバリ賞はナショナルの全製品じゃ」
二人に写真を見せられた3Dマンはげらげら笑い出した。
「こいつぁいいや」


送られてきた写真は平等(たいらひとし)のものだった。


その平は・・

いい加減なカウンセリングを続けていた。

すっかり 性欲を失って哲学書ばかり読むようになったという患者に
なんとかヤらしいことを連想させようとする平。

「あなたが砂漠を歩いていると一匹の亀が現れました。
どうしますかぁ?」
「水をやります」
「ああ、だめだ。やさしく撫でてあげるのです。
しゃぶってさしあげてもよろしい」

平「ボンレスハム」
女「手作り」
平「バット」
女「SSK」
平「浣腸」
女「丸の内」
平「ローソク」
女「カメヤマ」
平「鞭」
女「蒙昧」

そこへ激しいノックの音が聞こえてきた。
「ええい、うるさい」と玄関へ向かう平。

借金取りの権藤だった。

「平、社長から借りた金はどうしたっ」
権藤に引きずり出された平はなんとか口八丁でごまかす。

 
「おたく、いま売り出し中のニューヒーロー3Dマンをご存じかな。
私は彼のマネージャーでしてね。この謎の性感マッサージ事件を
解決すれば3Dマンは大スターですよ。
テレビ・新聞・雑誌がどっと押し寄せる。
しかし、正体を明かせないのがヒーローの常。
インタビュー、取材には私が応じねばならん。
テレビ出演、レコードデビュー、実録小説出版、すべて私だ。
さらに3Dマンは貧乏でないと超能力を発揮出来ないから
儲けは全部私のものとなる!
借金なんかあっという間に返して差し上げますよ」

「けっ。 ほら吹きやがって」

権藤がつぶやくと平は
「そう。ホラだ」と叫んで歌い出した。

ホラ~も吹かなきゃ、噂も立たーずー
酒も飲まなきゃ大声出さず
いびーいーび暮らしても日曜はやすーみー
でっかいホラ吹いてブワーっと行こう
ホラ吹いてホラ吹いて吹いて吹いて吹いて吹いて
ふーき当ーてーろー

権藤が我に返ると、上着だけ残して平は消えていた。
「くそう。変わり身か。伊賀ものだな」