『冗談軍艦MG号力む』について。

この作品は、私の念願であったメカ特撮を実現させるた めに企画したものでした。
たしか、1983年の暮れごろから準備に入り、
『決戦!機動要塞LM号東京上空破壊せよ』のタイトルで脚本を書きました。
これは、『変態大戦争』でイクス星人統制官を演じたNくんを主役に想定して書いたものでした。

ところが84年になって突然Nくん がキャンセルしてきました。

すでにMG号となるイマイのビック・マイティ号や
LM号になる予定だったマクロスとギャラクティカのプラモデルを仕入れていたスタッフは慌てました。

なんとか買ってしまったものを有効に使って別の話が出 来ないものか、
と無理矢理まとめあげたのが『MG号力む』だったのです。
撮影は1984年の6月(梅雨時!)に行われました。
制作費はおよそ20万円だったと思います。
(それを稼ぐためのバイトで留年確定。いや、それがなくてもだめだったでしょう)

MG号建造中

ミニチュア建て込み

当時調布に住んでいたMくんのアパートに合宿する形で 作業は進められました。
メインスタッフは3人。
私とMくん、そしてAくんでした。
由里役で出演してもらったSさんにもかなり助けられました。
また、休みの日に駆けつけてくれたNTくんにも物心両面で援助していただきました。


まあ、Nくんキャンセル事件で途方に暮れながら
無理矢理作っていたので、我々3人がかなり「煮詰まった」のも事実です。
私にとってはかなり苦い作品となりました。

    

この作品をもって事実上私の映画製作グループKHCは 解散状態になります。
翌年、Nくん復帰によって『6000円の男』が製作に入り、
関係が悪化していたメンバーとも再び顔を合わせるようになりました。

Sさんの尽力により1984年のTK大学祭で上映され たのち、
上映の機会に恵まれず、多分1995年に某上映会で再上映されたのが最後です。