Nくんのこと。
彼とは高校時代からの友人でした。
しかし、それほど行動をともにすることはなかったと思います。
高校時代に互いの家を訪ねたりしたことはほとんどなかったはずです。

それでも、なにか馬鹿な企画があると常に彼の姿がありました。

友人たちのなかで、特撮やSFの話が出来るのは
われわれ二人だけだったといってもいいでしょう。
そんなところから、同じネタを楽しめたのだと思います。

「6000円の男」の5年間は本当に一心同体となって頑張りました。
馬鹿なことを真剣にやるという気質はわれわれに共通したものだったようです。
(彼は自分の魚拓ならぬチン拓をとって私に見せようとしたことがあるらしい。
結局うまくとれずに断念したそうですが)

それでも、漫才コンビのようなもので、
89年ごろには仕事でつきあっているような感じになってしまいました。
私は彼のやる気があるんだかないんだかわからない態度にいらだち、
彼は多分、私のワンマンな態度を嫌っていたのではないでしょうか。

そして、90年の春にコンビ解消となります。
私としてはなんとしても映画を作り続けたかったのですが、
彼にはそれほどの気持ちがないと言うことで、それぞれの活動を
別にすることになったのです。

 

できればもう一度コンビを組んでみたかったのですが、
それはもう叶わぬこととなりました。

わたしのサイトで
『変態大戦争』やコズバット、そして『6000円の男』を
ご覧になった方の心のどこかに彼の印象が残ってくれれば、
われわれが若気の至りでやらかしたことにも何らかの価値があったのだと思います。

このページまで読んで下さった方に深く感謝いたします。