|
第
一作『ゴジラ』をはじめてテレビで見たのは3歳か4歳のとき。
以来、円谷英二という名に取り憑かれてテレビ・劇場で円谷英二特撮作品を見られる限り
見てきた。
最初の衝撃からすでに40年近い月日が経ってしまった。
その間にゴジラシリーズもたくさん作られ、いつの間にか円谷英二の演出とは似てもにつ
かないものまでゴジラの名前で登場するようになっている。
ゴジラが人気を博したのは、誰の作品によってだ?
本多猪四郎・円谷英二コンビ、さらには伊福部昭、関沢新一、馬淵薫といった人々の才能
を結集させたものがゴジラを含む東宝特撮世界だ。
その精神を受け継ごうとせずに、ゴジラだモスラだメーサー車だ轟天だと名前と形だけ並
べられても私は納得しない。
ゴジラに対する思いは十人十色だから、いろんなゴジラがあっていい、などと屁理屈を言
う人もある。
何を言うか。
ゴジラの受け止め方が千差万別でも、劇中のゴジラはただ一匹。
初代ゴジラにやたらと恐怖を感じる人もいるが、同じゴジラをかわいいと思う人もいるの
だ。
そんな重層的多面的な円谷ゴジラをそのまま再現しようとせず、その一部だけを拡大した
り、ストーリーに合わせて書き換えてしまったりするのは間違いだ。
平成vsシリーズのファンがどれだけゴジラ人気を支えているのか知らないが、それすら
元祖ゴジラシリーズの人気がなければ製作され得なかった映画シリーズである。
ゴジラ50周年に公開される「ゴジラ映画」。
それは私の40年にわたる思いを満足させ得るものなのか?
私は、ゴジラ100周年にはもう生きてはいないだろう。
この50年という節目に私は何を見せられるのだろう。 |